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全力で藩邸に駆け込んで久坂の部屋に一直線

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全力で藩邸に駆け込んで久坂の部屋に一直線

全力で藩邸に駆け込んで久坂の部屋に一直線。

 

 

「久坂さんっ!今すぐ!今すぐ来てください!!」

 

 

肩で息をしながら障子を開け放した。

 

 

「どうした。」

 

 

煩い足音はお前かと少しげんなりした顔を向けたが,伊藤の様子が尋常じゃなくおかしい事に嫌な予感がする。

 

 

「三津さんが!凄い熱なんです!!」

 

 

只事ではないと思ったがそれを聞いてすぐさま立ち上がった。

 

 

「伊藤君どうした。」 瘦面美容院

 

 

足音と声を聞きつけた桂が顔を出した。その瞬間伊藤は桂に掴みかかっていた。怒りに満ちた伊藤の顔に桂は目を見開いた。

こんな殺意を剥き出しにして掴みかかられたのは初めてだ。

 

 

「俊輔よせ。桂さん,三津さんが高熱出して倒れてるそうですが何故ご存知ない?」

 

 

静かに怒る久坂の言葉に耳を疑った。

 

 

「三津が……高熱……?すぐにっ……!すぐに戻るっ!」

 

 

冷静さを欠いた桂の行く手を伊藤が阻んだ。

 

 

「桂さんはこれから鳥取藩との約束がおありでしょう。」

 

 

「そんなものっ!」

 

 

「そんなもの?

昨夜も長州の為に帰る間も惜しんで遅くまで職務に勤めなさったんでしょ?

今朝も鳥取藩との約束があったから彼女の事など省みずこちらに戻ったのでしょう?

それだけ奔走されてる長州の為の職務をそんなものと仰らずどうぞ全うなさって下さい。

三津さんなら私共で面倒見ますので。」

 

 

ここまで伊藤が怒るのも珍しい。久坂は呆気に取られていたが今は急いで三津の容態を確認しなければならない。

 

 

「俊輔行くぞ。」

 

 

久坂も桂に言いたい事はあったがぐっと飲み込んで先を急いだ。

 

 

「桂さん?何事や?」

 

 

騒ぎを聞きつけた高杉が桂に駆け寄るがぶっきらぼうに何でもないと言われてしまった。

 

 

「んなこたぁ無いやろが。」

 

 

高杉はまた仲間外れかよと吐き捨てて,走って久坂達の後を追いかけた。

 

 

「どうした俊輔。お前があんな風に桂さんに食ってかかるとは。」

 

 

「分かんないんだけどっ!でもこの前桂さんと喧嘩して大泣きしてる三津さん見てから許せないんですよ!桂さんが!」

 

 

『なるほどな……。桂さんいよいよ味方は三津さんだけになったな。その三津さんもいつ愛想尽かすか時間の問題か。』

 

 

「玄瑞!俊輔!待ってくれ!」

 

 

背後から聞こえた高杉の声に二人の足が一旦止まった。

 

 

「晋作何しに来た。」

 

 

また面倒事起こす気かとうんざりした顔で久坂は歩みを進めた。

 

 

「三津さん何かあったんか?」

 

 

「高熱出して倒れてた。だから急いでる。」

 

 

久坂の代わりに伊藤が答えた。

 

 

「俺も行く!俺はお前らみたいにここで会合出たりせんからずっと傍におってやれる!ちゃんと面倒見るけぇ!」

 

 

「駄目だと言っても来るんだろ。それに確かに四六時中ついてくれる誰かが必要だ。いいか?大声出して騒ぐなよ。」

 

 

それが条件だ,ついて来いと久坂は先を急いだ。「お邪魔しますね!」

 

 

三津の寝ている部屋に駆け込むと荒い息で苦痛に顔を歪めた姿が目に飛び込んだ。

 

 

「俊輔水汲んできて。晋作はそこに座ってろ。」

 

 

久坂の指示に伊藤は井戸へ走り,高杉は小さくおうと答えて布団の傍らに座り込んだ。

 

 

「三津さん聞こえますか?久坂です。」

 

 

「兄…………?」

 

 

呼吸の合間から言葉が漏れた。答えが返ってきて久坂は少しだけ安堵した。

 

 

「熱が高いようですね。」

 

 

「あの……小五郎さんが帰って来ないんです……無事ですかね?」

 

 

苦しげな表情を浮かべながら口にするのは桂の事。

久坂は拳を握り締めて俯いた。

 

 

「今はご自身の体を第一に考えて下さい……。」

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