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まさか初対面の相手にそう言われると

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まさか初対面の相手にそう言われると

まさか初対面の相手にそう言われるとは思わなかった。三津は顔を真っ赤にして,入江達は声を上げて笑った。

 

 

「あっ!あっ!ごめんなさい!高杉様に伺ってたものでっ!」

 

 

おうのはごめんなさいごめんなさいとペコペコ頭を下げた。

 

 

「いえ……聞いてはるなら話は早いです……。木戸の妻の松子です……

みんなは結婚前の名の三津で呼んでくれはるからおうのさんも好きな方で呼んでください……。」

 

 

「では三津さんで。高杉様もいつもそう言ってるので。」

 

 

おうのも顔を真っ赤にして視線を彷徨わせながらそう言った。

 

 

「それよりおうのさん一人でどしたん?晋作は?」 瘦面美容院

 

 

入江に聞かれてハッとしたおうのは高杉の着替えを取りに来たと言った。

 

 

「しばらくうちに住むからと。」

 

 

「えらい急やな。それに何で自分で取りに来ん。」

 

 

山縣が不満げに言うと,おうのは困り顔で今は家でゆっくりしてもらってるからと言った。

 

 

「良ければ荷造り手伝いますよ?」

 

 

三津が申し出るとおうのは困り顔のままお願いしますと微笑んだ。

 

 

「三津が手伝うなら私も手伝う〜。」

 

 

入江はさっさとやってしまおうと先導して高杉の部屋へ行った。

 

 

「お手を煩わせてすみません……。」

 

 

申し訳なさそうに荷造りをするおうのはちらちらと三津を見ては目を伏せる。

 

 

「あの……何か気になる事でもありますか?」

 

 

その視線が気になり過ぎて三津は単刀直入に聞いてみた。するとおうのは手を止めて真っ直ぐ三津と向き合った。

 

 

「あの……どうすれば入江様と木戸様とそんな円満な関係を築けるのでしょうか。」

 

 

まさかの質問に入江と三津は顔を見合わせた。

 

 

「晋作からどういう風に聞いちょるか分からんけど,そんな円満って程でもないですよ?私と木戸さんのせいで三津は苦労しちょる。

今の形があるのは三津の気遣いがあってこそ。」

 

 

「気遣い……。妾の分際でおこがましいのは承知の上なのですが私は高杉様の奥様と良好な関係を築きたくて……。」

 

 

「それは……。」

 

 

きっと雅は願い下げだろうなと二人は同じ事を考えた。でもおうのが真剣に悩んでるようだから三津はまた世話焼き癖が出てしまった。

 

 

「何でそう思うんですか?」

 

 

「一度雅様と鉢合わせた事がありまして……当然ながら敵視されました……。でも私は奪い取って本妻の座につきたいなど思ってません。

高杉様を好きな者同士,仲良くなりたいなと……。好きな部分を語り合ったりしたいのですが……やっぱりこの考えはおかしいですよね……。」

 

 

おうのは,ごめんなさい忘れて下さいと呟いた。それに反応したのは入江だった。

 

 

「あー分かる。私も三津の好きな所は存分に共有したい。まぁ嫉妬心もありますけど,自分の好きな人を自慢したいと言うか,魅力を分かっちょる人と語りたいと言うか。」

 

 

「私もです!良かった!理解者がいらっしゃった!」

 

 

さっきの暗い表情とは打って変わっておうのは目を輝かせて入江と向かい合った。

 

 

『変なとこで意気投合してる……。いや変でもないか……。』

 

 

関係的に見れば入江とおうのは同じ立ち位置にあるから不思議ではないのかもしれない。

 

 

「私は……夫を余所に取られる立場も自分が余所に好きな人を作る立場も経験して,今は高杉さんと同じ立ち位置にいるので言える事は何も……。」

 

 

同じ女だがおうのとは立場が違いすぎる。今度は三津が表情を暗くしたから,入江は頭を撫でて慰めた。

 

 

「三津,そんな思いつめた顔せんで?

おうのさん,そっちとうちの違いは私と木戸さんが三津のすぐ側にいるから平等に時間が取れる事,三津が私達に平等に配慮してくれる事。

木戸さんが寛大に私の存在を許してくれるのは三津が木戸さんへの心遣いを忘れんから。

やけぇこうなるには晋作の協力が不可欠なんよ。」

 

 

おうのは入江の言葉を真剣に聞いていた。素直に助言を聞く耳を持ってると判断して入江も話を続けた。

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